中学校の旅費不足問題で尾張教育事務所に申し入れ 2016/3/15
今年度、中学校の旅費が1人あたり1,000円ずつ減額されました。結果、単純計算でいけば、職員50人の学校で、50,000円減らされたことになります。
1月29日、尾張教育事務所から管内の中学校に「旅費年間執行見込額調の再提出について(照会)」という文書が下ろされ、管内の中学校全体で550万円程度不足している状況を理由に、今後の旅行命令執行計画を見直すことを各校に要請していることが分かりました。その文書には、6点の具体的な例示がなされました。泊を伴う行事関係では、「○日帰りであれば2人以内とする。○1泊2日の下見は1人とする。○例えば、東京と河口湖への修学旅行の下見の場合に、東京は1泊2日1人とし、河口湖へは日帰りの自家用車使用により同乗して出張する。○下見を平成28年度当初の日程に変更する。」とおよそ安全配慮義務を負っている教員には承服できない内容でした。案の定、少なくない職員から、「修学旅行の下見人数が昨年度の2名より1人減らされて、見落としがないか不安。」「東京と鎌倉を別々に日帰りで行かされた。」「1人分しか旅費が出ないので、主任は年休で自腹を切って行った。」等々、生徒の安全配慮が十分にできないまま生徒を引率する不安や、生徒のために自腹を切らされている声が上がりました。春日井市内の中学校でも、「主任は年休を取って下見に行った。交通費は、自腹を切った。」といった声が上がっています。
春日井市教労の組合員は、愛教労とともに、3月15日、尾張教育事務所に「①550万円の旅費不足の責任はどこにあるのか。②修学旅行や野外活動の下見が、日帰りや1人でできる根拠を示せ。③5月に実施される修学旅行の下見が、年度当初でよい根拠を示せ。④自費で下見に出かけた職員を調査し、旅費の支給を行うこと。⑤年休で下見をした職員の休暇の取り扱いに配慮せよ。」との申し入れを行いました。
教育事務所の総務課の担当者は、「部活動の大会に参加する学校が多く、県外出張が多かった。」「旅費が減額されていることのアピール不足だった。」「各校の予算執行計画が甘い。」「知多や西三河の他地域でも同じ状況である。」ことを明らかにし、修学旅行の下見を削る例示をしたことについて、「例示がまずかった。」と認めました。しかし、自費で下見をした職員の旅費を保証することについては、難色を示しました。愛教労に要求に、自費で下見に出かけた職員の実態調査をおこなうこと。年休で下見に出かけた職員を研修扱いにできるか否か検討し、指導課から回答させることを教育事務所は明言しました。
今回の教育事務所の対応は、安全配慮義務を負っている教職員を不安にさせ、職員の自腹を切らせたりすることで、予算不足を乗り切ろうとした措置で、けっして許されるものではありません。