【学習資料】 中学校英語調査は中止に           

中学校英語調査は中止に           【学習資料】

~事前練習をさせた上に2日間にわたって調査を行う?~  201911.1

 

                        愛教労全国学力テスト対策担当

 

今年度はじめて実施された全国学力テストの中学校英語調査ではトラブルが続出しました。文科省は、920日に、中学校英語「話すこと」調査についての検証報告書を公表しました。報告書からは、現場に多大な負担を与えたこと、調査では学力が把握できないことが改めて浮き彫りになりました。それにもかかわらず、文科省は、今回よりさらに負担を増大させた上で次回以降も英語調査を行うとしています。

 

1 校長会から多数の問題点の指摘や反対の意見

今回の検証にあたって、文科省は、全日本中学校長会から意見・要望を集約しています。そこからは、「話すこと」調査についての多数の問題点の指摘や反対の意見が寄せられていることが分かります。以下、そのうちのいくつかを紹介します。

 

・ 今回の調査を利用して、英語力や指導力の向上をうたうような改革が出て、現場の教師の多忙化に拍車がかかることが心配。

・ 現在の学校現場の環境設備では(PC教室がオープンなつくりになっている学校が多い)、「話すこと」に関する生徒の力を確実に把握することは難しい。

・ 生徒が普段使用しないヘッドセットの使用など、本来測定しようとしている「話すこと」以外の要素の干渉が大きいのではないか。

・ 対面式での活動はしているが、PCに向かって話す活動を授業で行っていなかったので、今回の調査では生徒が困惑している状況が見られた。

・ 隣の生徒の声が大きく、ヘッドセットから問題が聞こえないと訴える生徒がいた。

・ 特別な配慮を要する生徒の調査のあり方については検討の余地がある。

・ 調査当日は、午前に4学級、午後に3学級実施した。給食と昼休みをはさんだために問題漏洩の可能性は否定できない。

・ プログラム展開がうまくいかず、使用できたパソコンに限りがあり、1学級を1度に調査できず、6時間目終了時間を越えての実施となった。

・ 「話すこと」調査も含めて1日で終了させるスケジュールは厳しい・・・。

・ 4月は人事異動などの関係で教職員は多忙・・・。

・ 4月の調査前準備は、5名(教務主任、英語科教師、ICT支援員)で40台のPCの動作確認を行ったが、これだけで2時間近く要した。前日のプログラムのロック解除も2時間程度、調査後の音声データ回収も2時間程度の時間を要した。

・ 音声データの回収が勤務時間後となり、業者が時間外のため連絡がつかなかった。

・ サーバー経由ではうまく音声データが回収できず、全PCから音声データをUSBで回収することとなりかなりの時間を費やした。

・ 調査前日は教育委員会への連絡が集中し、どの学校も焦りがあったように思われる。

・ コールセンターがつながりにくい状況であった。

・ 今回の実施形態では、委託業者の介入・支援が必須であると感じられた。

 

2 「私だけ成績が返ってこなかった」

検証報告書によると、重大なトラブルのうちの一つ、USBのデータの欠損については、該当学校の全生徒が該当する場合から1名のみの場合まで多岐にわたりました。その結果、1名・2名・3名といった少数の割合が高くなりました。人数が多ければ良いというわけではありませんが、人数が少なければ少ないほど該当の生徒の心に与える影響は大きくなります。周りのみんなは成績をもらっているのに、「私だけ成績が返ってこなかった」と心に大きな傷をつけられたことでしょう。

 

3 事前対策を公認?

検証報告書では、パソコンとヘッドセットを使っての調査は初めて実施されたため、生徒にも担当教師にも不安があったと「反省」しています。それで、「少なくとも調査対象となる生徒全員が調査方法を事前に体験できる機会の設定が必要である」とされています。何のことはない、事前練習をさせよということです。文科省が事前対策を公認していては、「序列化や過度の競争が生じないようにする」(実施要領)に反する事態が深刻化するばかりです。

 

4 2日間にわたって調査実施?

「解答の公平性」を保ことができない、つまり、生徒間の座席が近いため、解答する声が聞こえてしまうという根本的な問題について、調査報告書では、次のような提案をしています。「1回当たりの調査人数を削減し生徒間の間隔を確保する」、「今回は全ての調査を1日で実施していたが、これを2日間に分けて実施する」という提言です。

今回の調査でも、新学年早々の忙しい時期に行って現場を混乱に陥らせたのに、事前に練習させた上で調査を2日間にわたって行っていたりしたら、学校教育に重大な支障を来します。英語調査は中止しかありません。

ダウンロード → 
中学校英語調査は中止に

 

愛知県教委に「全国学力・学習状況調査と学力問題に関する意見書」提出

全国学力学習状況調査と学力問題に関する意見書はダウンロードできます。 ダウンロード → 2019 学力意見書

 

201910月吉日

学力向上推進委員会 委員長様

          委 員様

 

全国学力・学習状況調査と学力問題に関する意見書

 

愛知県教職員労働組合協議会

  議長  岩 澤 弘 之

 

 全国学力・学習状況調査(以下、「全国学力テスト」とします)に関わって、愛知県の教育についての論議を進めていただきありがとうございます。

 毎年、私たちの組合では、4月のテスト当日の子どもや担任の感想を聞き取ってきました。また、テスト問題や調査報告書などを分析してきました。その結果、全国学力テストが子どもたちを苦しめ、競争をあおり、学校教育をゆがめるものであることが明らかとなりました。私たちの組合では、全国学力テストの中止を求めて取り組みを進めているところです。

 この意見書では、今年度の小学校国語を検討することを手がかりにして、全国学力テストの問題点を指摘するとともに、学校教育にとって何が必要なのかをまとめてみました。中身は、現場の子どもたちや教職員の願いを反映したものです。ぜひ、内容をよく吟味していただき、貴委員会での論議に生かしていただきたいと願っております。

 

 

 小学校国語の成績が悪い?

 今年度の愛知県の小学校国語の成績について、「全国最下位だった」「全国平均より48%も低い」というような報道がなされました。果たして、愛知県の小学校国語の成績が悪いと評価してしまって良いのでしょうか。

そもそも、全国学力テストで把握できるのは、「学力の特定の一部分」(実施要領)に過ぎません。小学校国語の調査は、50分間行われただけであり、問題数にいたってはたったの14問にすぎません。きわめて限定された問題についての調査結果、それも平均正答率によって、愛知県の成績が悪いと結論づけることはできないと考えられます。

 

 学力が把握できるの?

文科省は、「学力の特定の一部分」が把握できると言いますが、本当に学力が把握できるのでしょうか。

たとえば、今年度の国語調査問題の1番を取り上げて考えてみましょう。設問の1と2では、選択肢の中から当てはまるものを選ぶだけで、「書く能力」があるかどうかが把握できるとされています。「書く」という活動はせずに、読んで該当するものを選択するだけで可能だと言うのです。この設問は、「書く」という学力を把握するには不適切な問題です。

また、選択式の設問ですので、全く分からなくても、当てずっぽうに選んでまぐれで「正答」となる場合があります。その場合でも、「書く能力」があると評価されます。選択式の設問は、学力を把握するには不適切です。

さらに、配点の不公平さもあります。選択式の易しい問題でも、設問3のような記述式の難しい問題でも、配点は同じで1点です。

ここでは、問題の1番の設問3つを取り上げただけですが、国語問題全体を通して、問題内容・形式が不適切な上に、配点も不公平となっています。これではとうてい学力を把握することはできません。

なお、学力を把握することのできない調査であるにもかかわらず、文科省が成績を公表すると、あたかも正確に学力を把握した数値とみなされてしまいます。

 

 全国平均との比較で課題が把握できる?

次に、全国の平均正答率について考えてみます。全国の平均正答率は、果たして評価基準になるのでしょうか。

全国学力テストを巡っては、全国的に「全国最下位を抜け出せ」「全国平均を上回れ」「全国トップレベルを維持しろ」と競争が広がっています。その結果、「4月前後になると、例えば、調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ、本来実施すべき学習が十分にできない」(文科省通知 平成28428日)というようなテスト対策が行われているところが増えています。テスト対策をすればするほど点数が上がります。そして、テスト対策をするところが増えれば増えるほど、全国の平均正答率も上がります。

全国平均正答率は、学力を正確に把握した平均値ではなく、テスト対策をした結果が反映した不正確な数値なのです。全国の平均正答率は、評価基準になりません。

Ⅰと合わせますと、学力を把握できない調査結果をもとに、全国の平均正答率と比較するという方法では、課題を見つけることはできません。むしろ、全国の平均正答率と比較して高いとか低いとかを気にすることで、全国的な競争に巻き込まれてしまう恐れすらあります。

 

Ⅳ 「楽しい授業」「分かる授業」を

 「授業改善を進めることが大切である」と言われることがあります。全国学力テストの結果をもとにした「授業改善」では、ともすると、「活用」を重視した授業、「上位層を伸ばす」授業となりがちです。これでは、一部の子どもだけが活躍する授業となり、授業が分からない子どもを増やすだけの結果となります。

 子どもたちはだれもが、「勉強が分かるようになりたい」「勉強が好きになりたい」と思っています。それに対して、「児童生徒が『教科の勉強は大切』『授業の内容はよく分かる』と回答しているが、それに比べ『勉強は好き』と回答する児童生徒は少ない状況が依然として続いている。・・・児童生徒の『分かるようになりたい』『できるようになりたい』という思いに応えるため、・・・楽しい授業、分かる授業、できる授業づくりを目指したい。」(平成25年度全国学力・学習状況調査 学力・学習状況充実プラン、愛知県教育委員会義務教育課 平成262月)という提案が、今こそ求められているのではないでしょうか。

 教員の多忙化解消を図り、すべての学年で少人数学級を実現して、「楽しい授業」「分かる授業」を実施することが求められていると考えますが、いかがでしょうか。

以上

 

全国学力テストでなぜ事前対策が広がるのか?

   全国学力テストでなぜ事前対策が広がるのか?

    ー英語調査のテスト問題から考えるー    【学習資料】 2019104

                                                   愛教労学力テスト対策担当

 

1 なぜ事前対策が広がる?

 ア 文科省が都道府県別・政令指定都市別の結果を公表するため、競争が激化する。

 イ 文科省の結果公表を受け、自治体段階で、「最下位を抜け出せ」「全国平均を上回
  れ」「全国トップレベルを維持しろ」と各学校へ圧力がかけられる。

 ウ テスト問題の傾向が分析されて、点数アップのための対策が立てられる。

   ex.過去において点数が低かった問題と全く同じ問題や似通った問題が出される。
  問題や設問形式などの傾向が変わらない。慣れておかないと時間内に解くことが
  できない。

 

2 英語調査ー予備調査と本年度調査とは瓜二つ

 英語調査については、テスト内容について驚くべきことが明らかとなりました。
それは、予備調査と本年度調査の内容・形式とも瓜二つであることです。
これでは、文科省が事前対策を奨励しているようなものです。

 

 

   2018年度 英語予備調査

     2019年度 英語調査

聞くこと

1(1)~(44つの絵から1つ選択

2 3つの絵を順に並べる

3 4つの選択肢から1つ選択

4 考えを1文以上で簡潔に書く

1(1)~(44つの絵から1つ選択

2 3つの絵を順に並べる

3 4つの選択肢から1つ選択

4 考えを簡潔に書く

読むこと

 

 

 

 

5(1)4つの選択肢から1つ選択

  2)4つの絵から1つ選択

 (3)5つの選択肢からすべて選ぶ

6 長文を読み、4つの選択肢から1つ 選択

7 長文を読み、4つの選択肢から1つ 選択

8 考えと理由を書く

5(1)4つの選択肢から1つ選択

  2)4つの絵から1つ選択

 (3)4つの選択肢1つ選択

6 長文を読み、4つの選択肢から1つ

 選択

7 長文を読み、4つの選択肢から1つ

 選択

8 考えを簡潔に書く

書くこと

 

9(1)①② 接続詞

 (2)①② 基本文型

 (3)①~③ 基本文型

10 勧めたいものを1つ決め、理由とともに30語以上で書く 

9(1)①② 接続詞

 (2)①② 基本文型

 (3)①~③ 基本文型

10 どちらかを選び、2つに触れながら、 考えを理由とともに25語以上で書く

話すこと

 

 

 

 

 

 

1(1What time is it?

   (2) How many children are there?

   (3) What is this woman doing?

   (それぞれの解答時間10秒)

2 2人の会話後、尋ねられたことに応 じる (解答時間20秒)

3 学校の紹介をする。(例、学校の所 在地や地域、部活動、学級数、先生や 生徒について)

  (考える時間1分、解答時間30秒)

 1When is her birthday?

  2What are they doing?

  3How does he come to school?

   (それぞれの解答時間6秒)

2 2人の会話が続くように応じる

   (解答時間20秒)

3 将来の夢、または将来やってみたい ことと、その実現のために頑張ってい ること、やるべきことについて話す

  (考える時間1分、解答時間30秒)

 

 

2019年 全国学習学力状況調査に反対する新たな取り組み

愛教労全国学力テスト反対の取り組み
・県教委への全国学力・学習状況調査に関する要請書
    ダウンロード→2019全国学テ要請 県教委

・中学校 の「英語調査」に関する学習資料
    ダウンロード→英語調査 学習資料

・新聞社への資料提供
   ダウンロード→新聞社
 
・文部科学省への意見書
   ダウンロード→2019 文科省HP用
 

【愛教労学習資料】子どもの自死を繰り返させないために

愛教労は繰り返される子どもたちの自死問題に向き合うための学習資料①②を発表しました。
全文は以下よりダウンロードできます


子どもの自死を繰り返させないために・その1   ~「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」から学ぶ~
ダウンロードはこちら → 「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」から学ぶ

子どもの自死を繰り返させないために・その2    ~「青森市いじめ防止対策審議会報告」から学ぶ~
ダウンロードはこちら → 「青森市いじめ防止対策審議会報告」から学ぶ
 

2018年 全国学習学力状況調査に反対する新たな取り組み

赤字部分が2/6更新部分です
緑字部分が3/4更新部分です


文部科学省初等中等教育局参事官付学力調査室への

 全国学力・学習状況調査に関する意見書 → 2018.文科省.pdf 

 

愛知県教育委員会への

 全国学力・学習状況調査に関する要請書 → 2018全国学テ要請 県教委6・6.pdf


県内市町教育委員会への
 全国学力・学習状況調査に関する要請書 → 2018全国学テ要請 県内市町村教委.pdf


県教委内学力向上推進委員会への

 全国学力・学習状況調査と学力問題に関する意見書  その1 → 2018 学力意見書 Ⅰ .pdf

 全国学力・学習状況調査と学力問題に関する意見書(NEW)  その2 → 2018 学力意見書 Ⅱ .pdf 



愛教労【学習資料】
全国学力テスト
 来年度から
「知識」「活用」を一体化した問題へ → 知識・活用の一体化Ⅱ.pdf
 英語予備調査で問題点続出 →  英語予備調査で問題点続出改訂版.pdf


 全国学力テストで学校教育をゆがませないように 
→ 全国学力テストで学校教育をゆがませないように.pdf
 学校作りアンケートに寄せられた教職員の意見 → 学校づくりアンケートに寄せられた教職員の意見.pdf
 やはり学力テストは中止しかない → やはり全国学力テストは中止しかない.pdf