2018年度市教委交渉のまとめ
1.各校への教育予算を増額すること。
【回答】教育予算全般について検討していく。
2.教職員の健康・労働条件と児童・生徒の健康・安全について
(1)多忙化解消プランを出し、長時間労働がなくなるようにすること。
【回答】各校在校時間の記録をしており、報告を受け市としても把握している。また、長時間労働の大きな要因となっている部活指導については、朝練習や休日練習を控えるなどの通達を行っている。
(2)在校時間が80時間を超える者について、2019年度に0にするための計画を明らかにすること。
(3)校長が、80時間を超える該当者に対しての改善策を示し、教育委員会に報告するとともに、該当者が医師の面接指導を確実に受けられるように指導すること。
【回答】行事の精選や若い人の働き方に声をかけていかなければいけない。校長が早く帰るように声掛けを行うように指導していく。
(4)日々の時間外勤務の割振り簿を作成し、割り振りが適正に行われるようにすること。
【回答】勤務の割振り変更がある場合は適切に行われていると把握している。また、出張や土・日の部活動指導は在校時間に含まれている。現段階では考えていないが、県下で広まっており考慮していかなければいけないと考えている。
(5)安全衛生委員会について論議事項をC4thの連絡掲示板により職員に直接周知すること。
【回答】総括安全委員会においても、勤務実態を踏まえて具体的な論議をしている。総括安全委員会の議
事結果については学校長あての送付により各校に周知を行っている。また、特に必要とされる案件についてはC4thの連絡掲示板等による周知を行う。
(6)勤務時間外における労働従事時間を教員の自主的・自発的行為としてボランティア扱いにさせない
こと。
【回答】一斉退校時間を各学校に働きかける。教職員が健康で安全に働き続けられるよう声をかけていく。11/21が県下一斉退校日。この日だけではなく、働き方改革をしなければならない。
(7)成績処理が勤務時間内でできるように、作業時間を全ての学校で確保できるように働きかけること。
【回答】勤務時間内にできるように行事の精選、合理化を行うなど今後とも働きかけていく。効率よい働
き方を考えていかなければならない。
(8)モジュールタイムでは、英語以外も授業時数にカウントし無理で負担の多い日課としないこと。
【回答】英語以外でもより効果的に取り組んでいけるように検討していきたい。
(9)パワハラの防止に努め、「パワハラ防止指針」を毎年全員に配付すること。また、セクハラ・マタハラなどのハラスメントをなくすための研修や啓蒙活動を進めること。
【回答】パワハラ、マタハラについては、県の規定に準ずる。職員室が居心地の良い空間であることが働くうえで一番大事なことで管理職には不祥事等を含めて、これからも話をしていく。昔はよくても今はだめなことがあるのでしっかり伝えていく。
(10)出退勤時刻記録のためのICカード等を導入すること。
【回答】厳しい財政状況のなか、現段階ではICカードの導入は困難である。
(11)全ての学校をカバーする産業医を置き、健康管理(精神疾患を含めて)を徹底し、退職まで心身ともに健康で働き続けられるように環境整備をすること。「ストレスチェック」を生かした職員の健康管理につとめること。
【回答】現段階ですべての学校に産業医を配属することはできないが、健康管理として平成29年度は、職員が50人未満の小規模校についても全職員に「ストレスチェック」を実施した。今後も健康管理に十分務めるための方法や環境整備を引き続き検討していく。
(12)職場の働く環境(気積・照明・採光・換気・・・)を基準に合わせるとともに、側溝の掃除等で夏場の小バエ対策をすること。
【回答】教室等は計画的に検査を行っている。普通教室へのエアコンの設置に向けた計画づくりを引き続き検討していく。小バエの対策については側溝の清掃など情報収集に努め、改善策があれば可能な限り対応していく。
(13)学校において予防すべき伝染病に対して、予防接種費用への補助を行うこと。特にインフルエンザ対策として、教職員の予防接種費用を助成すること。
【回答】現在のところ予防接種の助成は考えていない。
3.教職員の働く環境と福利厚生について
(1)男女別の横臥できる休養室・シャワー室をすべての学校で設置できるよう、計画を進めること。現在の設置状況と今後の計画を明らかにすること。
【回答】現状の建物での福利厚生施設の設置は、建物の構造・スペース上に支障が生じるため、大規模改修工事に併せて実施を考えていく。現在の男女の休憩室・・・12校、シャワー設置・・・13校である。
(2)職員トイレの数を増やし、温水洗浄機能がついた便座を全校に設置すること。
【回答】トイレ改修工事において、多目的トイレについては温水洗浄便座を設置しているが、各所は暖房便座の対応になっている。
4.憲法・教育基本法・子どもの権利条約に基づいた子どもの人権擁護の推進、開かれた学校づくり、子どもを取り巻く環境の改善について
(1)今後、「全国学習学力調査」に参加しないこと。学校別の点数公開を行わないこと。また、小学3・4年生の基礎学力調査を中止すること。
【回答】今後も実施していく。学校別の点数の公開はしない。基礎学力習得調査についてもより良い方法を模索していく。
(2)義務教育費無償の精神に則り、教育費の父母負担の軽減を行うこと。
【回答】強く意識していかなければならない問題で、就学前援助金や行事だとか補助教材等改めて見直していく必要がある。
(3)児童・生徒や教職員にとって心身ともに負担となっている過熱傾向にある部活の在り方を見直す作業を進めること。
○平日及び土・日の活動
・平日に2日の休養日を設ける。
・部活動でのあまりにも早い登校時刻、あまりにも遅い下校時刻を改善するように学校を指導する。
・家庭の日(毎月第3日曜日)における部活動は実施しない。
・土・日曜日のどちらか一日は「児童生徒・教職員の健康障害防止」「ゆとりと業務等の準備」を目的に休養日とする。
・土・日曜日の活動時間は3~4時間程度までとする。
・大会への参加などにやむを得ず土・日に活動するような場合は、代替休養日を確保する。
・定期テスト前については、原則1週間前から部活動を行わない。
・負担の多い朝練習は廃止する。
・部活担当の強制はさせない。また、新任に部活担当はさせない。
○長期休業中の活動
・活動は平日のみとする。ただし、協会・連盟等が主催する大会が休日に行われる場合は、生徒には平日に代替休業日を設定する。
・練習時間は3~4時間程度までとする。
○その他
・大会の精選など関係機関とともに進める。
・熱中症対策等、関係者の健康管理には特段の配慮をする。
【回答】教員の長時間在校はもちろんだが、子どもたちの健康面も考慮して、朝練習や休日の練習を制限するなど、今後も部活動のあり方について様々な角度から検討していく。猛暑もあって一日練習はなしにするとか時間の制限をして、子どもたちの安全を第一に考えていく。また、大会の精選も必要である。
(4)非核自治体宣言の実現と、平和教育の充実のための施策をはかること。自衛隊の職場体験および自衛隊の募集を行わないよう指導すること。
【回答】平和に対する意識を高める教育は今後も進めていく。
5.学校の施設・設備について
(1)各教室のテレビを液晶デジタルテレビに取り換えること。
【回答】授業等での使用状況を見ながら予算の確保に努めていく。
(2)ガラス飛散防止フィルムや網戸を設置するとともに、地震による落下物等の教室内の安全を専門業者が確認するようにすること。
【回答】教室の安全についてはガラスの飛散防止措置、家具の転倒防止措置等、各学校で十分注意していただいていると認識しており、専門家による点検は想定していないが、さらなる安全を確保するよう努めていきたいと考えている。
(3)トイレのバリアフリー化を進めること。また、個室トイレを洋式トイレに変更していくことを進めること。
【回答】耐震補強工事と同時に行ってきたトイレ改修工事で洋式トイレを設置してきている。今後も大規模改修工事で洋式化されなかったトイレを整備していく予定である。
(4)大規模改修を進め、電源や水道管などの点検整備をすること。また、アスベスト含有の古いPタイルの撤去や床を整備すること。ホルムアルデヒドなどの有害物質が学校施設より曝露しないようにすること。
【回答】水道管の布設替え、内装改修など、順次整備していくよう予算の確保に努めていく。
(5)音楽室や全ての教室にエアコンを設置すること。当面、最上階や音楽室は早急に取り付けること。
【回答】32年度中に全校エアコン設置を進めていく予定である。
6.教職員の配置について
(1)小1から中3まで35人学級の制度を市独自で作ること。
(2)充実した支援員・サポーター制度を確立すること。
【回答】市独自の35人学級制度は今のところ考えていない。より多くの目で子どもたちを見ていくことは大切だと考えており、サポーター・支援員の充実を目指して検討していく。
(3)養護教諭が泊を伴う行事に参加の場合の人員を確保すること。
【回答】市独自の配置及びその他の人員確保は厳しい状況であるが予算確保に努めていく。
(4)初めて教員になった講師に対してアドバイザーをつけるなどサポート体制を確立すること。
【回答】若い先生が多くなり、新任だけでなく、大学卒業して講師で教壇に立つ人が多くなっている。校内での研修、経験のある先生が経験の少ない教員を育てるシステムが円滑に進むよう働きかけていく。
7.その他
(1)就学援助制度を拡充し、市民への周知をすること。就学前の援助金の支給を実施すること。
【回答】各学校と連携をはかりながら制度のさらなる周知を図り、適切な制度の運用に努める。制度の拡充については、今後の検討課題と考えている。
(2)学校用務員の員数を増やし複数配置で校舎内外の整備を進めること。
【回答】現在は用務員業務の効率化を進めており、その中で、適切な配置を行っていく。
(3)就学時検診を法律に則り教育委員会の責任で行うこと。
【回答】各学校で協力していただき感謝している。現段階では、この形態を変えることはない。
(4)小中一貫校・小中一貫教育については、教職員や市民の声を反映させること。また、跡地利用については、拙速な作業は進めないこと。
【回答】昨日も開校準備委員会が行われ、自治会・PTA・教職員・教育関係者に来ていただいて意見を伺った。跡地利用については経営戦略部から基本的な考え方を随時、地区協議会にお示ししていただいて協議に入っている。声を聞きながら進めていきたい。
【一括回答の後の交渉の主な内容】
(市)小中一貫校に建設に伴い、各学校の予算が削減されることはないと回答した。
(組)総括安全委員会の結果について、「特に必要とする案件」だけでなく、すべての項目での周知を要求した。
(市)ICカード導入に対しての試算はしていないと回答。ストレスチェックを来週に実施すると回答した。
(組)「小バエ対策」について、学校の実態を伝え、側溝等の掃除と網戸の設置を要求した。
(市)大規模改修工事の今後の計画について、近年は計画的に行われていないが、計画にそって予算要求をしていくと回答した。
(組)落下物に関して、体育館についても要求した。建具の転倒防止について学校任せでなく予算措置を要求した。
(市)天井の照明器具、ゴール、壁に取り付けた額については点検し落下防止工事を行っていると回答した。学校配分予算の対応についてはできないが、アドバイスについては当然行うと回答した。
(市)エアコンについて、全国の教室のエアコン設置について補正予算をつける方向で国会での議論が進んでおり、今の情勢にあった検討はしたのかとの組合の質問に対し、従前の回答をした。
(組)エアコン設置に関し今の流れを積極的に受け入れるように早急に検討を要求した。「チャンスは逃さない思いは一緒」との意見の共有ができた。音楽室や避難場所となる体育館の設置を要望した。
(市・組)ブロック塀、熱中症等の安全対策に対して意見交換を行った。
(市)就学援助金の前渡しは今年度から取り組んでおり、31年度に入学する児童から対象となっていると回答した。
(組)2019年度に80時間超を0にすることに関して現時点で達成は古瀬戸小と特別支援であり、ノウハウを各学校に伝える等してどの学校も実現するように要請した。
(市)特別支援学校は下校時刻がしっかりしているし部活指導がない。また、1人に対しての教員の数が多いことがあるのではないかと述べた。
(組)長時間労働で、教員・運搬・ITなどで問題になっている。精神疾患の問題では、担任業務と部活動のことが主な要因であり、改善策として行事の精選と教員を増やすなど少人数の授業を行うことを要望した。特に、緊急にやるべきことは中学校の働く条件を改善していくことが大事であると述べた。
(市)人がほしいというのは強く思っているし、市独自の非常勤講師だとか常勤講師だとか進むといいと述べた。教員の年齢層が変わってきてノウハウの伝達が必要であることやライフワークバランスの視点が語られた。まず、行事の精選が必要であると回答した。
(組)校長が各学校における長時間労働の改善策を示し、市教委がまとめて指導することを要求した。
(市)11月に県から調査(各学校で工夫したことの報告等)がある。校長会で先生たちの生活をより豊かに考えていただけないかと呼びかけると述べた。
(市・組)学校行事で養護教諭が学校に不在になることについて意見交換を行った。
(市)修学旅行で旅行業者が養護教諭(専門の看護師)等を用意してくれるようにしたらどうか等を課内で話題に出した。
(組)まず、定光寺のキャンプ場の活用時期に看護師の配置を提案した。
(市)インフルエンザの予防接種に関し、市の職員は1000円補助(市のお金でなく、カフェテリアプランのようなもの?)が出ると述べた。
(組)B型肝炎は希望者に無料で実施しているが、同じようにインフルエンザの感染が広まらない対策として補助を要請した。
(組)モジュールタイムは英語以外で2校実施しており、実施例の交流を要請した。週3回英語のモジュールがとれる学年はいいが、低学年は負担になっていると述べた。
(市)教育課程は学校独自でいいと回答。効果があることが大事で情報共有していくことは大事であると述べた。学校としての選択肢が増え、横のつながりができれば参考になると述べた。
(組)市内でも割り振りを実施している学校もあり、市教委として割り振りをしている実践例の調査をするよう要求した。11月の県への報告で、割り振りの実施とか考えていることを報告し、市教委として割振り簿の作成をするように要請した。
(組)3・4年生の基礎学力調査の問題や回答が現場の指導にあってない内容もあり、先生の労力(印刷、採点)も余分であると指摘し、中止を要求した。
(組)部活担当の強制はさせないこと、やったこともない部活強制はパワハラであると指摘した。部活複数担当制で全員を割り振ることは問題で、教育委員会は校長に伝えるべきであると述べた。新任は教科指導や生徒指導、新任研修で大変であり、まず本務に力を入れることが必要で、部活担当をさせないことを要求した。
(市)部活で強くなり、親から崇拝され、勘違いが起こる可能性がある。授業はいい加減になってしまうが、先生には逆らえないから静かになってしまう。本来の先生の役割は授業で勝負。組合からのご意見をいただいたということを伝える。新任のレポートの数、指導案の数は多く、部活は大きな課題でクリアーしていかなければならない。中学校も社会体育で行える人材があればいいと述べた。
(組)引率を含め部活指導を行える人材を各学校に充てるというシステム、指導はするが大会には部活担当の教員がつくという外部指導者がある。市としてガイドラインを作るように要求した。
(市)指針ではないが、夏休み猛暑日2時間の指導等各学校の事例を集めている状態であると述べた。
(組)部活問題について少しずつ前進していることは理解している。きちんとまとめていただくと同時に、多忙化解消のガイドラインの要求をした。 中日新聞(10/28)の資料提供をした。
(市)勤務時間管理でパソコンの電源を入れた時間と切った時間が在校時間に記録されるが、パソコンを切った後にテストの採点をしていたらカウントされない実例を紹介した。タイムカードもいいが、個々人がどのように生活していくか見つめなおすことが大事であると述べた。
(組)個々人がきちんと働き方を管理しないとダメで、意識づけされていない教員、管理職の問題があると指摘した。特に終わりの時間を意識させていく必要があると述べた。
(市)退校時間のチャイムについて伝えると述べた。
(組)指導要領の完全実施に向けて今から行事等の精選していかなければならない大変なことになると指摘した。
(市)精神疾患で休んで見える方は0ではないと回答した。豊田の多忙化(ガイドライン)についても調べたいと述べた。
以上