愛教労ニュース第69号  2002年11月4日発行

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愛知の教育を考える集い

 愛教労は、さる10月26日、「愛知の教育を考える集い」を開催しました。今年で九回目を数えます。今回は、小泉政権が突き進む戦争への道と公教育解体という厳しい情勢の中にあって、「生きる意味、学ぶ意味を共に探る」をテーマに、わたしたちのめざす教育改革と学校づくりの方向を考えること、そして、新学習指導要領のもと、学校・学びはどう変えられているのか。憲法・教育基本法・子どもの権利条約を生かした教育実践や学校をどうつくっていくのか。子どもたちの声や生活実態をリアルに出し合い、父母・地域住民の方と共に論議を深めあいました。


【午前の部】
開会セレモニーで、中高校生の躍動感たっぷりのダンスから若々しいエネルギーをもらいました。

畦地調査部長は、愛知県下の実態調査結果を報告。少人数授業ではなく、少人数学級にすべきであることを強調。指導力不足教員問題、勤務時間問題、研修問題などについて、三河地区を例として教育現場での管理統制の実態を報告しました。

井上教文部長が基調報告を行いました。井上さんは、現在、学校・教育への攻撃として次の五点を挙げました。
@経済効率優先による学校統廃合や、「特色ある学校」という名の学校間競争。
A四月から始まった新学習指導要領のもとで、系統性のない教科内容の削減、教職員定数を保証しないままの少人数授業の実施、土曜日分の授業を平日へ上乗せするなど、教職員の一層の多忙化。
B「絶対評価」によって「学習指導要領は最低基準」として教育内容を目標化して規制し、「学力低下論」を危惧する声をバックに、「基礎基本」を強調、教科学習を形骸化。さらに「総合的な学習の時間」の規格化。
C「心のノート」を一斉配布、国家主義的翼賛的奉仕活動に子どもや若者達を引き込むねらい。
D実態にあわない勤務時間・研修権の剥奪・「指導力不足教員」や「優秀教員」の表彰による教員の差別と分断化など。
そういうなかでこそ父母県民とともに私たちのめざす学校づくりを探求していく重要性が報告されました。

井深雄二さん(名工大助教授)は、記念講演で、今日の日本の教育の混乱をもたらした歴史的な経過を解明。【以下中心的要約】

 現在の第三の教育改革は、国家の教育権の立場から教育勅語的な愛国心教育の理念を盛り込むことが課題とされ、一方、新自由主義的教育改革政策は、いわば「平等なき自由」政策で教育基本法の明文改正を行おうとしている。従って国家の教育権論と教育の自由化論が同居するという矛盾を抱え込んでいる。
 そして、今日の教育基本法の見直し論は、政治的には憲法改正の露払いの位置づけが与えられ、イデオロギー的には、国民に対して「教育における55年体制」か新自由主義的教育改革かの選択肢のみを提示して、国民にとって真の利益となる教育基本法体制が国民にとってのもう一つの選択肢になることを阻止しようとしている。
 公教育の再発見の観点から普通教育の原点からとらえ直すことが必要。つまり、教育政策の基本原則は、「いつでも、どこでも、だれでも、ただで」学べる機会を保障する教育であることが普通教育である。
 ところが、新自由主義的教育改革は、「統治行為としての教育」こそ必要最小限度は残すとしながらも、「サービスとしての教育」は個人の意欲と努力に委ね、その結果は自己責任で処理すべきものとされる。従って、学習における公共性は限りなく解体されていくことになる。しかし、それは、公教育を全く私事化し尽くそうとしている訳ではない。即ち、知的・身体的学習において失われた公共性は、道徳教育において補完することが予定されている。それが奉仕活動の義務化論である。
 こうした公教育解体の攻撃に対して、教育基本法を生かすとりくみをいまこそ強めること。そして、その普通教育創造の筋道は、
@普通教育を枕言葉に
Aオンリーワンの原則
Bグローバルに考え、ローカルに実践する
ことであると提起されました。
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