愛教労ニュース第68号  2002年10月7日発行

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教育基本法を考える集い

2002年9月21日(土)名古屋市教育センターで
第1部は「子どもたちに何が起きているのか」と題して尾木直樹さんの講演で始まり、第2部はシンポジウム「愛知の教育を変える力」で今日的課題を深めました。
最後に呼びかけ人から下記のアピールが提案されました。
愛教労早川教示議長も呼びかけ人のひとりです。

呼びかけ人 2002.9.19現在

 岩橋祥代  植田健男  上村和範  大橋基博  小野政美  折出健二  榊達雄  早川教示  福島俊一  藤井啓之  星野香  堀嘉孝  本田直子  水野磯子  山口正  山田清文

「憲法と教育基本法の理念の実現を求めるアピール」
 いま、文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会で教育基本法の見直し作業が進められています。それは首相の私的諮問機関である教育改革国民会議が2000年12月に「新しい時代にふさわしい教育基本法を」と、教育基本法の見直しを求めたことによります。しかし国民会議、中央教育審議会ともに教育基本法の内容に即して慎重な論議が進められたとはいえません。ところが、この9月末には教育基本法の見直しの必要性と、具体的な見直しの方向を示す中間報告が出され、年内には最終報告が取りまとめられる予定です。来年の通常国会には教育基本法「改正案」を上程する動きもあると伝えられています。日本国憲法の平和と民主主義の理念を教育を通して実現しようとしている教育基本法が大きな危機に直面しています。
 中央教育審議会の論議では教育基本法を見直さなければならない理由として、教育振興基本計画の策定の根拠となる規定を教育基本法に盛り込む必要があること、成立してから55年がたち、時代の変化にそぐわない点が出てきており、それが今日の教育問題を生じさせていることなどを挙げています。
 しかしこれらの理由には大きな疑問があります。
 教育振興基本計画は教育基本法に根拠規定がなくても策定できます。今日のいじめや不登校、学級崩壊、受験競争などは教育基本法の規定のせいでしょうか。むしろ教育基本法が求める「人格の完成」や「教育の機会均等」の実現を怠ってきた国の教育政策に責任があるのではないでしょうか。
 もし中央教育審議会のいままでの論議どおりに改革が進められると次のような事態が予想されます。
 まず、教育振興基本計画では、多くの父母の願いである教育費の父母負担の軽減、30人学級の実現などは進まず、いままで以上に競争の教育が進められ、エリート重視の教育制度に転換します。教育の機会均等が形がい化し、経済的、社会的、身体的弱者は教育の場から追いやられます。
 つぎに、教育基本法の教育理念・目的に復古主義的な内容が盛り込まれ、偏狭なナショナリズムの強制が図られます。
 さらに日本国憲法の理念を実現するために憲法レベルの教育規範を示すという教育基本法の「理念法」としての性格が否定され、国が進めようとしている新しい形での競争の教育、新しい形での差別・選別の教育を正当化する実務的な内容の「実体法」となってしまいます。
 日本国憲法の改正を訴える人は、その手始めとして教育基本法の改正を主張しています。教育基本法の改正は、憲法改正につながり、平和と民主主義の理念が否定される危険があります。
 いまこそ、日本国憲法と教育基本法の理念を実現することが強く求められています。
 そのために、私たちは、次のことを強く訴えます。

1 教育基本法をいまいちど読み直し、その内容について語り合いましょう。そしていまの教育基本法の内容に確信を持ちましょう。
2 家庭、学校、地域で教育基本法の精神が生かされているかどうか確認しましょう。
3 競争と効率を重視する教育、「心のノート」の強制、奉仕活動の義務化など教育基本法の精神を否定する教育政策をやめさせ、教育基本法の精神を具体化する教育政策の実現を求めましょう。
4 教育基本法の精神を具体化するために、30人学級の実現など、真に子ども・父母・教職員が求める教育条件の整備、公費による教育の充実などを国、自治体に要望しましょう。
5 中央教育審議会で論議されている教育振興基本計画は競争を一層激化させるもので、その内容を全面的に見直すことを求めましょう。
6 中央教育審議会に教育基本法の見直し論議をやめることを求めましょう。
犬山市ですべての学年を30人学級に
 犬山市では2004年度から市内小中学校の全学年で30人以下の少人数学級を実施する方針を決めました。全学年での実施は全国で初めてです。
 同市では、30人学級にすると新たに44学級増える予定です。そのため、市独自で常勤講師を33人採用し、現在担任を持っていない11人の校務主任を担任とすることで対応する方針です。
 担任をできる教員を採用するのはこれまで都道府県に限られていましたが、文部科学省は2004年度を目標に市町村の予算負担であれば独自採用できるよう法改正する意向です。
 現行制度のもとで同市では昨年度から市独自に非常勤講師42人を採用し、少人数授業を実施してきました。しかし、学級規模そのものを小さくするのが一番よく、最終目標であり、30人学級にふみきったとのことです。

※非常勤講師は、遠足などの行事には出られず、夏休みなどは無給となるなど不安定な待遇です。常勤講師は、正規教員と同様の勤務時間、仕事内容となります。
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